あまりブログの本筋とは関係ないですが、メルセデス・ベンツは本当にドイツでも安いのか?という話です。

日本人は国産車を庶民の車、輸入車を金持ちの車といった感じで見ています。概ね真実ですが、では海外でも同じことが言えるのでしょうか。
よく見かけるのは「日本人がトヨタや日産を庶民の車として買っているのだから、ドイツ人もベンツやBMWを庶民の車として乗っている」という論調です。
あるいはそうでなくても「ベンツはドイツ国内向けに低廉グレードをたくさん用意している」という話も見かけます。果たして本当でしょうか。

というわけでメルセデス・ベンツのドイツ版公式サイトを確認してみましょう。
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http://www.mercedes-benz.de/content/germany/mpc/mpc_germany_website/de/home_mpc/passengercars.html
このサイトで紹介されているのは、個人向けの乗用車です。
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今回は「Aクラス」で比較してみます。
本体価格が最も安いのはA160 Limousineで、2万4680ユーロ。これを2月14日のレートで円換算すると298万3725円になります。そこまで安いというわけでもないですね。
スペックは1595ccの102馬力です。

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では日本はどうでしょう。
最も安いのは受注生産グレードのA180 Styleで、なんと税込298万0000円。この時点でドイツより安いです。しかもスペックは1595ccの122馬力とこちらも日本の方が上。
排気量が同じですが、これは同じエンジン形式でセッティングを変えてあるだけのようです。

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ちなみにAクラスはドイツだとディーゼルの設定もあってグレードは豊富です。
ガソリン車でもっとも値段の高いAMG A45は、ドイツだと5万1527ユーロ(621万4480円)、日本だと720万0000円です。
どちらもあまり安くないのですが、日本の方が100万円ほど高いのが気になります。さらに比較を進めてみましょう。

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オプションを確認してみます。日本は720万円の中に標準装備となっているものが多数紹介されていますが、ドイツはオプションの種類がはるかに多いようです。

日本にはない外装変更パッケージも用意されていますね。

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日本だとAMG A45では標準装備になっているCOMANDシステムがドイツではオプション扱いになっています。

というわけで先ほどの画像でAMGに標準装備として紹介されていたものの内、どれがドイツではオプションになっているのかリストアップしてみました(機能の説明は末尾参照)。
The A-Class Data Information も参照)

・後席プライバシーガラス(€321,30) ※ドイツでは断熱ガラスとして設定
・前席メモリー付きフルパワーシート(運転席€410,55+助手席€339,15)
・前席シートヒーター(€928,20) ※ドイツでは日本で未設定の湿度調整装置とセットでオプション
・後席アームレスト(€196,35)
・トランクスルー(後席アームレストとセット)
・カラーアンビエントライト…ドイツではオプション(単色€452,20+色選択可€142,80)
・キーレスゴー(€535,50)

以上に記載のないもので、日本では標準装備なのにドイツではオプションになっているものは以下の通りです。

・赤色ブレーキキャリパー(€380,80)
・シート下収納(€196,35)
・ブラインドスポットアシスト(€928,20)
・盗難・牽引防止装置(€487,90)
・COMANDシステム(€3.522,40)
・プレセーフ(€392,70)
・harman/kardonサラウンドシステム(€815.15)

ドイツ語は読めないのでGoogle翻訳の手を借りたのですが、日本では標準装備になっているはずのものがドイツでは少なくともこれだけオプション扱いになっています(特定の装備品を選んだ際に強制的にセットされるものは挙げていません)。
というわけで日本仕様のAMG A45をドイツで買おうとすると、6万4634ユーロ、つまり779万5370円となります。日本仕様と比べると60万円ほど差がありますね。
間違えて足してしまったものや気付かず足してないものもあると思うので、正しい値段ではないと思うのですが、総合的に考えると日本で買う方が安いみたいです。

最も割合が大きいのはCOMANDシステムのようで、これだけで3522ユーロ(約42万円)もします。ドイツではガーミンナビやCDオーディオだけ、ラジオだけ、bluetooth接続だけというのも選べますが、日本ではCOMANDOシステム以外設定がありません。ちなみにCOMANDシステムにはこれらが全て入っています。

国産車でも時々「特別仕様車」と称してオプション装備品をセットにして普段より少し安い価格で売っているものがありますが、日本で販売されているAMG A45もドイツから見ればこの類にあたるようです。

「ドイツ車は日本で買うよりドイツで買う方が安い」というのは一概に間違いとは言えませんが、日本で売られているものと全く同じものをドイツで買おうとすると日本で買うより高くなるのは確かのようです。
つまり、日本で売られているベンツは「高価なオプションが標準装備化されたお得な特別仕様車」とでも考えた方がよさそうです。今回調べたAMG A45も、本来は720万円以上の価値があるということですね。

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ちなみに最初の方に紹介したA180 Styleのオプション装備状況はこんな感じ。
最低限の装備とはいえ、COMANDシステムまで標準装備で289万円というのはやはり非常にお得です。

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注釈

・前席メモリー付きフルパワーシート
→電動調整が可能なリクライニングやスライド、座面の高さを記憶させる機能で、乗る人に合わせて3パターン記憶させることが出来ます。ドイツではオプションとなっており、「運転席のみ」が410ユーロ、それに339ユーロを加えると助手席にも同じ機能を追加することが出来ます。

・後席アームレスト、トランクスルー
→後席の中央座席の背もたれを前に倒して使う肘掛けです。カップホルダーなども組み込まれています。日本ではあまりオプションとして意識されることのない装備品ですが、ドイツではオプションです。
→トランクスルーは後席から直接トランクへアクセスできる機能で、走行中にトランクの荷物を出したいときなどに使えます。後席アームレストを倒すと背面に蓋があります。

・カラーアンビエントライト
→間接照明です。日本では12色から選択可能な機能が標準装備になっています。ドイツではオプションとなっており、色を選べないものが452ユーロ、12色から選べるようにするにはそこに更に142ユーロを追加します。

・キーレスゴー(€535,50)
→キーレスエントリーに似たものです。今や国産車でもおなじみの装備ですが、メルセデスではかなり前から採用していました。鍵を持っていれば車のドアノブに触るだけで施錠・解錠を行うことができ、エンジンを始動するときも鍵をポケットに入れたままスイッチを押すだけでOKです。詳しくは公式サイトで。

・赤色ブレーキキャリパー(€380,80)
→簡単にいうとホイールの内側にあるブレーキ部品を赤色に塗るものです。見た目がかっこよくなります。

・ブラインドスポットアシスト(€928,20)
→駐車時など死角に障害物がある際に、ドアミラーに警告表示を出す機能です。

・COMANDシステム(€3.522,40)
→国産車でいうとマツダコネクト辺りが近いです。カーナビやオーディオ、bluetoothなどの機能が一体になったもので、車載SIMカードにより通信を行っています。車内で無線LANを使うことも出来ます。

・プレセーフ(€392,70)
→衝突回避装置。

・harman/kardonサラウンドシステム(€815.15)
→日本で言うところのBOSEサラウンドシステムのようなものです。オーディオの音がよくなります。