今更ですが、アップロードした画像は自動的に圧縮されるようになっているので、元画像が欲しいという方は直接私にご連絡ください。
例えば、この記事に使われている写真は全て4160×3120でした。

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昨年10月のダイヤ改正で爆誕した「上津一丁目」。八女~久留米を結ぶ福島線(30番、31番)に32番が追加されたのに伴って新設されました。
九州運輸局の公示状況でなんとなく予測はついていましたが、実際登場してみると驚き。

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D&D線が社会実験路線として鳴り物入りで登場し、そのまま消えて何の音沙汰もなくなりましたが、こちらはほぼ何の前触れもなくひっそりと現れました。専用のポスターが作られることもなく。
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上津バイパスです。左が上津荒木、八女方面。右が本山、西鉄久留米方面。
30番が花畑からそのまま一丁田に出るのに対し、32番は西町、南町を経由し、本山で左折して上津バイパスに入り、上津荒木で3号線に入ります。
32番の誕生と入れ替わりに野伏間循環と南町経由の津福今町行き(51番、52番)が廃止され、削除分は6番で補填されました。6番は若干増便され、昼間に1往復新設された大学病院発着を除き、全て西鉄久留米発着となりました。

そういえば、南町の記事で「野伏間循環は朝1本ある52番を残して全てなくなった」ということを書いたのですが、実はあの直後に野伏間循環の両周り(51番/52番)とも増便されていました。
増便、系統の復活というと聞こえはいいですが、代わりに51番/52番の津福今町発着がかなり減っていたので、実際は西町経由と南町経由をまとめ、最小限の減便で車両を減らすためというのが理由にあったようです。
51番は循環しない51番と6番上りを兼ねられますし、52番も循環しない52番と6番下りを兼ねられます。津福今町まで行って折り返すのも無駄ですしね。
それでもなくなったということは、よほど利用者が少なかったのでしょう。

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八女方面の時刻表。本数は昼間に運行されない時間帯がありますが、概ね毎時1本。間隔はバラバラです。
この時の廃止になったバス停はありませんが、本山を右折した後にある藤光一丁目が55番のみのバス停となり、一日4往復だけに。これで藤光一丁目も晴れて船塚とか上川原とかみたいなポジションになったというわけです。

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方やこちらは西鉄久留米方面の時刻表。朝に1本だけ西鉄久留米止まりが設定されています。
昨今において、地方におけるバス路線の系統新設というのはなかなか珍しい事例だと思いますが、これを新設すると何がよいのでしょう。
まずは買い物需要が挙げられます。西町や上津町のあたりは昔ながらの住宅街が広がる地域で、何でも揃う大きなスーパーなんてのはありません。

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さて、上津バイパスにはロードサイド形式の店舗が建ち並んでいます。

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その中でも目を引くのが、バス停の目の前にある生協スーパー、エフコープ。ベンチはバス停のすぐそばで、バス待ちも楽々。
32番が出来たことによって、そこら辺の人がここへ買い物に行けるようになりました。実際は特にそういうのを押し出した広告が打たれていたわけではないので、実際に西鉄にそういう意図があったかは不明ですが。
でも、上津荒木から西鉄久留米方面へ戻る循環線にしなかったということは、上津町方面からの需要も狙ったということでしょう。

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八女方面のバス停のすぐ傍には、ラーメン龍の屋。そういえば龍の屋は東京の新宿にもあるのですが、新宿といっても結構微妙な場所です。味はそのまま。

さて、需要は上津町よりもっと南の八女方面にもあります。通学需要です。
西町バス停の近く(というより隣)に附属久留米小中があり、八女や広川から附属に通っている子は苅原で降りて延々と歩いていました。それも一人や二人ではなく、距離も1kmほどあったので、なかなかめんどくさかったことでしょう。

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八女方面のバス停は、リサイクルショップと美容室の前に立ってます。
美容室はアン・ソメットさんという名前なのですが、車が走る方に向かっては美容室であることを強調し、そうでないほうは店名を強調するというなかなか考えられた看板を出してます。これってロードサイド店舗じゃ普通なのでしょうか。

さて、32番の利点はまだあります。それは、JR久留米駅や市役所から西町、南町の需要も維持できる上に、車両も減らせるということ。
6番は現在全て西鉄久留米発着となり、51/52の廃止も相まってかなりコンパクトな系統になっています。西鉄久留米~附属校前~津福今町のみとなったため、野伏間経由で遠回りをしなくてよくなりました。また、原則西鉄久留米発とし、方向幕も既にLED化されているので、他の路線と車両の共通化がしやすくなりました。これで車両が減らせます。

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バス停そばの交差点。特に名前は付いていません。

一方、32番だと本数・乗客共に多い福島線の系統に組み込むことになり、また八女~久留米間の単なる経由違いとして運行できるため、南町や上津一丁目を目的地としない乗客を乗せることもでき、収支の面では津福今町折り返しの時よりも遙かに安定します(遠回りを嫌って上津荒木以南の客が32を避けるようになれば話は違ってきますが)。

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さて、32番は31番にぶら下がるだけでなく、独自の需要を創出できるでしょうか。

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おまけ。本山も32番用の標柱が出来ていました。コルシカの兄弟案件?